Departure

出発。

2023年5月 愛犬である助六が逝ってしまった。

助六、17歳と100日。フリーランスのグラフィックデザイナーを生業としてきたので、仕事をしている時も常に足元には助六がいた。

日中働いている時、休日も、寝る時も、ほとんどの時間を共に過ごしてきた。2年前に亡くなってしまった黒豆という弟犬も一緒だった。

助六を看取ったら悲しみに暮れてしまう前に世界旅行へ旅立とうと決めていた。

仕事先の関係各社にはかなり前から予告していたとはいえ、ご迷惑はおかけしつつも快諾していただき、ありがとうございました。振り返ればフリーランスの25年間は本当に楽しいものでした。感謝しかございません。

私にとって世界旅行とは高校生の頃からの夢でありました。宇宙の果てまでは見れなくとも、せめて今自分の生きている地球を可能なかぎり見てまわり触れてみたい。異国の文化や街並み、食べ物や人々の暮らし、自然を見てまわる旅をしたいと思い描いていました。

そしてそれが可能である時代と国に生まれている。

その思いを募らせること早30数年。今ようやく旅立ちの時を迎えた。

本来はもっと若いうちに旅立ちたかったのだけれど、仕事も生活も楽しくて忙しくて苦しくて、さらに助六に出会ってしまって今に至ってしまった。

思い描いていた旅のイメージは3〜4年で世界を周わり、今後の人生に活かせたらと考えていたのだが、あれよこれよという間に50歳。当初の目論みよりかな〜り歳をとってしまいました。まあそれも仕方がない。

若い頃とは違い、体力的な不安はあるけど、仕事を辞めた今の自分には旅の時間に制限がない。資金にもいくらかの余裕もある。きっと旅のスタイルも大きく違ってくるだろう。体力と好奇心の続く限り、行けるところまで旅をしよう。

旅に疲れたり飽きたりしたら立ち止まり、また再開するかもしれないし、辞めてしまうかもしれない。もしくは惚れ込んで住んでみたい場所に出会ったり、やっぱり日本での暮らしが良くて長旅ではなくショートトリップへ切り替えてしまうかもしれない。

まあ、気楽に旅を楽しもうと思います。

このブログはそんな旅の備忘録として始めました。果たして続くのかはわかりませんが・・・

先ずは2ヶ月間、日本を完全に引き払う前にタイとインドネシアのバリ島、ジャワ島横断、フィリピンはセブ島の旅に出かけます。

 

出発便が早朝だったので空港近くに前泊して、成田山新勝寺にて旅の安全と夫婦円満、そして愛犬助六の冥福を祈りました。

 

成田第二ターミナルからの出発。なぜか久しぶりの海外に緊張する。

 

前後にリュックのバックパッカースタイル。

 

2023年7月の現在では以前のような賑わいにはおよばず。空いていて搭乗手続きも思ったよりスムーズです。

 

今回のフライトはAirAsia。LCCの価格って・・・。

 

助六との別れからまだ2ヶ月。でも久しぶりの海外。夢に描いていた世界旅行。しかもアーリーリタイアメントしての旅。悲しさや喪失感、開放感や高揚感、そして不安、それから近しき人との別れなど。付け加えればパンデミックと世界情勢、様々なものが色々とごちゃ混ぜの気持ちでの出発となりました。

2023年7月11日